親水性複合材を用いた低摩擦部品の
開発および水中機器への応用

研究概要
自動車や家電製品をはじめとする機械製品は,軸受やシール部品など数多くの機械要素から構成 されています.機械製品のエネルギー効率改善や耐久性向上を検討する上で,機械要素の摩擦・摩 耗・潤滑に関する学問(トライボロジー)は欠かすことはできません.
例えば,機械内部の潤滑油などを密封したり,外部から水などの液体の浸入を防止したりするた めのシール部品は様々な場面で使用されており,シール部品の低摩擦化は機械損失の低減のみなら ず,製品の信頼性や寿命に関わる重要な課題です.環境への配慮やエネルギー技術の開発が進む中 で,オイルレス化・使用環境の変化などによってシール部品に求められる密封条件や性能も変化し つつあります.
本研究では,従来のシール技術では適用が困難な防水シール条件に対して,親水性素材を用いた シールリップを開発し,密封性能の向上と低摩擦化の両立を目指しています.また,親水性素材の 機械的強度や摩擦特性の改善のため,ナノセルロース繊維を配合した複合材料化にも取り組んでい ます.
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
研究室および大学保有設備(5 軸マシニングセンタ,3D プリンタなど)を最大限活用し,自ら設計・ 加工する内製化に努めています.また,企業様のご要望に対して柔軟にご対応・ご提案致します.
応用可能な分野
・水中回転機器の軸防水設計
例)ウォーターポンプ,撹拌装置,水流発電装置,水中推進・探査装置(水中ドローン)など