高性能電気機器・電磁装置の開発


研究概要
近年,環境問題の観点から各種電気機器の低損失・低騒音化への要求が高まるとともに,高精度・高機能な各種電磁装置の開発が盛んに行われています.そこで,これら高性能電気機器・電磁装置の開発に必要なシミュレーション技術の開発を行うとともに,開発したシミュレーション技術を用いて高性能な機器・装置の開発・設計を行っています.
1.電気機器の低損失化
電気機器の低損失化を検討するため,機器で用いられる積層鉄芯の損失計算法,また,磁壁移動によって生じる異常渦電流損やインバータ電源の電流波形に含まれる高調波まで考慮した損失計算法を開発し,電気機器の低損失化設計に適用しています.これまで,インバータ電源に接続されたリアクトルや異方性鉄芯を用いる電力用リアクトルの低損失化について検討し,積層鉄芯の角部の形状を改良することにより鉄芯中の磁束分布を一様にする損失低減法を提案しています(図1参照).
2.電気機器の低騒音化
電気機器の低騒音化を検討するため,積層鉄芯の振動解析法について,電磁応力と磁歪応力の両方を考慮した振動解析法を開発し,電気機器の低騒音化設計に適用しています.これまで,インバータ電源に接続されたリアクトルの低騒音化について検討し,鉄芯ギャップに挿入する絶縁物の硬さを調整することにより電磁応力と磁歪応力による鉄芯表面の変位をキャンセルする騒音低減法を提案しています(図2参照).
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
技術・特許:2010年, 電気機器(特開2011-14660),電気機器の騒音評価法の開発及び低騒音化方法の提案
応用可能な分野
電磁気現象を利用する電気機器・電磁装置の損失,騒音評価および損失,騒音低減