水圏生態系の保全と生物資源保全・管理に関する研究


研究概要
1.水圏生態系の生物多様性に関する研究
水圏(海、湖沼、河川)は、多様な動植物の生息の場となっています。しかし近年、環境破壊や外来種の侵入などにより、水圏生態系の生物多様性の減少や生態系サービスの低下が懸念されています。本研究室では、フィールド調査やDNA解析などにより、水圏生態系におけるさまざまな動物の基礎生態や遺伝的特性、人間生活の影響などの解明に取り組んでいます。また、得られた知見を生態系保全や環境教育などにつなげていくことも目的しています。
2.水産対象種の資源保全・管理に関する研究
近年、さまざまな水産対象種において、その資源量の減少が大きな社会問題となっています。加えて、無秩序な移植放流による遺伝的攪乱や在来遺伝子資源の喪失も懸念されています。そこで本研究室では、「地域の在来個体群とその遺伝子資源の保全」と「水産資源の資源増大・持続的利用」とを両立した資源管理手法の確立を目指して、日本各地の在来個体群の生活史特性や遺伝的特性、それらの空間的・時間的差異に関する研究に取り組んでいます。
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
・ミトコンドリアDNAや核DNAの解析(集団解析、系統解析、親子判別など)
・リアルタイムPCRを用いたDNA解析(SNP解析、環境DNA分析など)
・野生動物・生態系の生態調査
上記技術を用いた近年の論文
・Environmental Biology of Fishes (2018) 101, 699-710.
・PLoS ONE (2017) 13, e0191731.
・Ichthyological Research (2017) 63, 506-518.
応用可能な分野
・農林水産分野における資源管理策の立案支援(遺伝的構造解析、系統判別、環境DNA分析など)
・自治体の調査・研究支援(希少種調査、遺伝的多様性調査など)
・教育活動支援(生物多様性調査、科学人材育成など)