コンピュータを利用した流れの可視化と流体機械の性能設計


研究概要
1. 気液混相流の理論と数値シミュレーション
マイクロバブルによる水質改善技術やキャビテーション気泡を利用した洗浄技術など気泡を含む流れは,液相と気相がともに存在する混相流の典型的な例である.本研究では,気相の圧縮性を考慮した気液混相流の力学挙動を理論と数値シミュレーションによってあきらかにする.
2. 多孔質を含む流れ場の解析
自動車などの空力音のように流れにともなって発生する流体騒音を物体の表面に多孔質材を設けることで制御することを目指す.多孔質材の密度や細孔の構造に対する境界層の性質の変化を数値的に解析する.
3. 流体機械実機モデルに対する数値シミュレーション
本研究では,主に波力発電用ウェルズタービンを対象とした性能設計ならびに騒音発生メカニズムの解明を目的として大規模数値シミュレーションを実行する.ここでは,波力によって発生した往復気流による非定常流れとタービン前後の流れの構造をあきらかにする.
4. 空調利用にともなう屋内汚染微粒子の対流・拡散解析
新型コロナウィルスにより人々の移動や活動に大きな制限が課される状況が続いている.本研究は,ウィルスの付着した微粒子(飛沫)が空調の運転によってどのように広がり,また換気されていくのかを数値的評価する.これにより,室内の感染危険度の分布を視覚化することでQOLをできる限り損なわない感染予防が可能となる.
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
・コンピュータならびにオープンソースソフトウェアを利用した流れ解析
・風洞実験と数値シミュレーションの併用による流体機械の性能評価
・数理物理的なアプローチによる理論モデルの構築
応用可能な分野
流体機械の性能設計,海洋・河川の流れ解析,農業用水の防災・管理シミュレーションなど