神経科学を基盤とした新たな神経リハビリテーション手法の開発


研究概要
1)経頭蓋電気刺激(tES)を用いた運動機能制御
tES により経頭蓋的に大脳一次運動野の活動を調整することで運動学習能力を効果的に制御するこ とを目指している。最終的には、慢性脳卒中患者への新たは神経リハビリテーションの開発につな げたいと考えている。
2)皮質脳波を用いた運動学習の脳内神経基盤解明
頭蓋内電極によって計測される皮質脳波には豊富な脳情報が含まれている。この皮質脳波を用いて 運動学習中の脳活動を詳細に捉えることで、運動学習の脳内神経基盤を解明することを目指してい る。
3)ブレイン・マシン・インターフェースのリハビリテーションへの応用に関する研究
脳波・脳磁図によって計測される脳信号を視覚的にフィードバックし、脳活動を制御させることで 脳可塑性を誘導させる新たな神経リハビリテーション手法の開発を目指している。
4)食物の嗜好性を応用した新たな嚥下リハビリテーション手法の確立
食物嗜好性が、嚥下を司る脳部位の機能を変調する可能性について探索している。もし、食物の嗜 好性が嚥下に関わる脳機能や皮質延髄路(脳から筋肉までの経路)の興奮性を変調することが分か れば、個人の嗜好性を踏まえた「オーダーメード嚥下リハビリ手法」が確立できると考えている
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
1)脳機能イメージング解析
2)Support Vector Machine を用いた機械学習
3)その他、計算神経科学に関する技術
【論文】 ・Sugata H, Hirata M, Tamura Y, Onishi H, Goto T, Araki T, Yorifuji S. Frequency-dependent oscillatory neural profiles during imitation. Scientific reports. 7: 45806, 2017
・Sugata H, Hirata M, Yanagisawa T, Matsushita K, Yorifuji S, Yoshimine T. Common neural correlates of real and imagined movements contributing to the performance of brain– machine interfaces. Scientific Reports. 19: 24663, 2016
応用可能な分野
1)非侵襲的脳刺激を用いた革新的リハビリテーション技術の開発
2)片麻痺廃用手患者に対する効率的な利き手交換法の開発
3)非侵襲型ブレイン・マシン・インターフェースを用いたリハビリテーションの開発