室内音環境の予測と制御に関する研究


研究概要
1、室内音環境予測に関する研究
快適で健康的な建築物や車内環境の実現には、良好な室内音環境の設計・制御が必要不可欠である。近年、車室や会議室、教室といった中・小規模の室内であれば、汎用計算機を用いて計算コスト的には、音の波動性を考慮した数値シミュレーションが可能となりつつあるものの、境界条件や音源・聴取条件といったパラメータ設定が難しく、十分利用されているとは言い難い状況にある。本研究では、それらの設定手法に加え、得られた結果を室内空間の設計者や利用者に提示する手法についても研究を行なっている。
2、既存の室内音環境の改善に関する研究
室内空間の境界となる材の吸音特性は、その材が使用されている施工状態に大きく依存する。そのため、特に既存の室内空間や音環境以外の条件で施工状態が決定している空間の音環境を改善するためには、施工されている現場で材の吸音特性を評価する必要がある。本研究では、大分大学で開発した材の吸音特性測定技術(EA法)を利用し材の吸音特性を評価した上で、数値シミュレーションと組み合わせ、音環境改善の検討を行う手法について研究を行なっている。
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
・音の波動性を考慮した室内音環境の数値シミュレーション技術(FEMによる室内音場解析手法)
・室内音環境の差異を可視化・可聴化により把握が可能
・音環境の制御・予測に必須な材の吸音特性測定技術(EA法)
・それぞれの材が使用されている状態での吸音特性の把握が可能
応用可能な分野
騒音制御、建築室内設計、自動車車室内設計、材料開発