紙認証システムを活用した決済プラットフォームの研究
研究概要
1. 決済システムの機能が消費行動に与える影響の研究
決済システムは経済活動の血流を担い経済活動を支えている。日常の買い物で決済に使う媒体は紙幣や硬貨に加えて各種デジタル化が進んでいるが、それらの運用はプラットフォーム財としての決済システムに支えられている。本邦銀行間決済の実務に携わった立場から決済機能の特性や巧拙が社会で広く議論される機会が少ない点に着目し、日本の事例や諸外国の状況を比較検証して決済システムの機能が消費行動に与える影響を研究している。
2. 紙認証システムを活用したチェック・トランケーションの普及に向けた研究
決済システムのイノベーションと目されるチェック・トランケーションの概念をベースに、紙の支払手段の利便性と効率性を同時に追求する非接触型の紙認証システムを開発した。本システムと地域通貨の提供により、被災による停電や通信障害時にも買い物ができるインフラの確保や高齢者や情報弱者に使い勝手のよい決済環境整備の可能性について研究している。
3. 過剰品質とイノベーションに関する研究
本邦金融サービスのイノベーションが世界から遅れている要因として、事務ミスはあってはならないとする過剰な事務品質との関連性に着目し、決済分野を軸にセキュリティやオペレーショナルリスクの捉え方や基準のあり方について研究している。
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
・AI-OCRを活用した非接触型紙認証システムの実装環境の提供、実証試験の実施
・紙の利便性とデジタル技術による事務合理化の共生を実現するソリューションの提案、支援
・富士/みずほ銀行、全国銀行協会、ソニーにおける実務スキル
・電子決済システムに関する特許出願実績(2件)
・京都の町家旅館を運営する会社の創業者として社会課題解決を実践した経験
・参与観察により課題抽出を起点とする経営人類学的アプローチの活用
応用可能な分野
プレミアム付商品券事業の導入支援(新規検討、独立した事務局を持たない商店街など)、および運営合理化(発行実績があり換金事務の効率化に問題意識をもつ商店街など)
テーマパークやイベント会場でのクーポン発行事業の企画支援
(域内の消費喚起や活性化施策、会場と周辺地域の連携を促すクーポン事業など)