in vivoモデルを用いた新たな生理機能解明の研究
〜ゼブラフィッシュを用いた病態生理機構の解明と臨床応用〜

研究概要
1. 肥満関連疾患NAFLD/NASHの新たな病態形成機構の解明と創薬基盤の開発
近年、肥満を呈する人口が増加し、それに伴い肥満関連疾患に罹患する患者数も増えている。肥満が進行すると、肝臓においては、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)および非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を発症する。肝臓へ異所性脂肪蓄積によりダメージを受けた肝細胞からは細胞外にdamage associated molecular patterns (DAMPs)が放出され、肝細胞のさらなる炎症や線維化を進展させることが判明しているものの、未だ病態進展に伴う肝臓でのDAMPsの経時的な動態変化は明らかになっていない。我々は、DAMPsを時空間的に可視化するゼブラフィッシュモデルを独自に作製し解析することで、NAFLD/NASHの新たな病態機構解明と治療基盤の開発を目指している
2. 精神・神経疾患の新たな病態機構の解明と創薬基盤の開発
現代社会では、過度のストレスにより、うつ病やパニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを含む精神・神経疾患に罹患する患者数が増加している。多くの精神・神経疾患においては脳内の神経伝達物質のバランス障害をきたしているが、発症時や病態の進行に応じた神経伝達物質動態は未だ不明な点が多い。我々は、神経伝達物質動態可視化ゼブラフィッシュを作製し解析することで、精神・神経疾患の新たな病態機構の解明と新規治療法の創出に寄与したいと考えている。
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
・遺伝子改変ゼブラフィッシュの作製、解析
・生体内におけるDAMPsならびに神経伝達物質動態可視化ゼブラフィッシュモデルの作製、解析
・肥満・肥満関連疾患モデルゼブラフィッシュの作製ならびに病態生理学的解析
・精神・神経疾患モデルゼブラフィッシュの作製ならびに病態生理学的解析
応用可能な分野
・肥満・肥満関連疾患に対するバイオマーカー探索、創薬標的分子同定、in vivo創薬スクリーニング
・精神・神経疾患に対するバイオマーカーの探索、創薬標的分子の同定、in vivo創薬スクリーニング
・肥満・肥満関連疾患、精神・神経疾患に有効な食品開発分野への応用