子宮内膜症の病態の解明と新しい薬物療法の開発に関する研究
研究概要
我々は、子宮内膜症における瘢痕形成の実験モデルとして、子宮内膜症間質細胞のコラーゲンゲル3次元培養法およびGel contraction assayを確立した(図1)。その結果、子宮内膜症間質細胞は正所性子宮内膜間質細胞より強い収縮能を有することが分かった(図2)。子宮内膜症細胞では正所性子宮内膜間質細胞に比べて筋線維芽細胞への分化が著明であること、Ras homology (Rho) A、Rho-associated coiled-coil-forming protein kinase (ROCK)-IおよびROCK-IIの発現が増強し、mevalonate-Rho/ROCK pathwayが活性化しているためと考えられた。また、マウスを用いた子宮内膜症の動物実験モデルを確立した。
近年、全身の諸臓器に発生する「臓器線維症」が注目されている。子宮内膜症も臓器線維症の1つと考えられ、病態形成の過程における瘢痕形成、線維化の観点からの治療法の開発が期待される。我々が開発したコラーゲンゲル3次元培養法、動物実験モデルは有用性が高いと考えられる。
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
子宮内膜症間質細胞のコラーゲンゲル3次元培養法
マウスを用いた子宮内膜症の動物実験モデル
マイクロアレイを用いた網羅的解析
応用可能な分野
治療薬の開発を目的としたトランスレーショナルリサーチ