ジカウイルス感染症治療用医薬組成物


研究概要
1 マウスは一部の遺伝子改変マウスを除いて、ジカウイルスに対する感受性を持たないことが明らかにな
っている。
・インターフェロンのシグナル伝達に重要な役割を果たす STAT1 欠損マウスがジカウイルス感染モデルマ
ウスになることを新たに発見した。
2 現在のところジカ熱に対するワクチンや治療薬は存在しない。しかし、ジカウイルスの感染域は拡大し
ている。さらなる感染拡大を防ぐために、ジカ熱の予防または治療薬の開発は喫緊の課題である。
・既存の C 型肝炎治療薬リバビリンが、細胞レベルでジカウイルスの増殖抑制効果を持つことを見出した。
・リバビリンが、ジカウイルス感染 STAT1 欠損マウスのウイルス血症を抑制し、生存期間を有意に延長さ
せることを見出した。以上より、リバビリンがジカ熱の予防や治療に応用できる可能性が示唆された
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
・従来の解熱剤や鎮痛剤による対症療法に比べ、リバビリンによる治療では早期に体内からウイルス
を排除できる。これは患者の苦痛を緩和できるのみでなく、他者への感染拡大を予防できる点で非
常に効果的である。
・リバビリンは既に安全性が確認されている薬剤である。
・リバビリンは比較的安価であるため、発展途上国への普及が見込める。
・現在、当研究にて、特願 2017-108007(特願 2016-211655 の国内優先権主張出願)を出願中。
・ジカウイルス感染に対する、培養系および個体系による予防効果・治療効果の評価法を提供する。
応用可能な分野
・ジカ熱感染に対する予防
・治療的投与による感染症予防学
・治療学分野への応用
・新規あるいは既存の薬剤のジカウイルス感染に対する効果の検討