機械振動の発生メカニズム解明と制振技術


研究概要
1. ボーリング加工におけるライフリングマーク防止対策工具の開発
BTA深穴加工やリーマ加工などのボーリング加工では,加工中に工具が振動して,ライフリングマークと呼ばれる多角形状の穴が形成され,精度上大きな問題となっている。本研究では,その防止対策工具の開発を行っている。
2. 自動車用ATの振動低減手法の開発
自動車用オートマチックトランスミッションでは,燃費向上のためロックアップクラッチと呼ばれる入出力軸を直結する装置がある。ロックアップ時は,エンジンの爆発による強制振動が直接伝達されるため,その振動対策が重要となる。本研究では,自動車用ATで発生する非線形振動の解明や,快適な乗り心地を実現する新たなATの開発を実施している。
3. ディスクブレーキで発生する自励振動のメカニズムとその制振
自動車業界で近年問題になっているブレーキシステムの鳴き現象の一つにロータが面内方向に振動する面内鳴きがある。この研究では,面内鳴きの発生メカニズムの解明と防止対策の検討を行う。また,ヨーロッパのアルプス山脈降下中やアウトバーンなどを走行中に,ブレーキロータに熱の縞模様ができるホットジャダーと呼ばれる現象の研究も行っている。
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
1. ライフリングマークを防止・低減する新型工具の開発
(特許第5655234号 切削加工用先端工具のガイド部配置構造及びガイド部配置方法 など)
2. 自動車用ATの振動解析と制振手法の開発
(特願2016-191767振動減衰装置およびその設計方法 など)
3. 自励振動のメカニズム解明と制振手法
応用可能な分野
1. スパイラルマークを防止するための新型工具の開発
2. 自動車用ATの自励振動対策や非線形振動対策,新たな制振装置の開発
3. ディスクブレーキ鳴きの防止対策