燃焼機器内の基礎現象に関わる物理量の計測および反応機構の検証


研究概要
近年,環境や燃料枯渇に関する問題が話題になっています.電気自動車などが普及し始めていま すが,電気を作り出すところから考えると,その環境負荷は従来の内燃機関と変わりません.我々 の研究室では燃焼技術の観点から,従来型および代替燃料について,より良くエネルギー変換する 方法を研究しています.他大学や企業と連携し,数値モデルの開発や設計用の国産シミュレーショ ンソフトの開発にも取り組んでいます.
1.燃焼技術を利用した効果的なエネルギー変換方法,予測方法に関する研究
燃焼機器内部で炎が燃え広がるときに(バーナでは炎が定在するとき),途中で消えてしまえば 燃料が無駄になります.逆に,意図せぬ領域で自己着火してしまえば,異常燃焼によって装置の破 損につながります.当研究室では,従来型の燃料に加えて,持続的な社会を構築する上で有用な代 替燃料について,燃料の消炎限界や着火限界を実験的に調べ,予測モデルの検証を進めています.
2.有害物質の排出抑制方法,予測技術に関する研究
効果的なエネルギー変換を行える燃焼手法が見つかったとしても,結果として排出されるガスが 有害物質を含んでいれば問題です.当研究室では特に,すすの排出に関する研究を行っています. 実際の装置で起こりうる現象を基礎的な装置上で再現し,サイエンスの観点から予測モデルの検証 と構築を進めています.
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
当研究室では以下の項目に取り組んでおり,実績があります.
1.エンジン筒内の燃焼現象に関わる基礎的物理量の評価(燃焼速度,着火限界,消炎限界)
2.直噴ガソリンエンジンにおける PM 排出予測手法の開発(すす,すす前駆体)
3.反応性流体の数値シミュレーション
応用可能な分野
・エンジン燃焼
・ボイラ燃焼
・燃焼機器の数値シミュレーション