複雑現象のモデル化と解析


研究概要
1. 複雑な現象のモデル化とその解析
生体システムをはじめ,工学システムや物理システムなどは非常に多様で複雑な現象を示しま す.この複雑な現象を数式により表現し,表現した数式を解析的,または数値的に調査するこ とで,複雑現象発生のメカニズムや異なるシステム間に共通する性質を見出し,システムの安 定性の向上や制御などに応用していきます.また,神経系における情報処理機構や学習の仕組 みを解析・理解し,これらの知見を応用することで,近年,広く研究されている深層学習など の機械学習にかわる新たな学習理論の構築を目指しています.
2. 高次元空間における同期現象の同定手法の開発
様々なシステムは同期により情報伝達を実現しており,同期は情報伝達の必要条件であると考 えられています.一見,システムが同期しないように見えても,私たちが認識できる3次元よ り高い次元の空間やゆがんだ空間でシステムが同期している場合があります.このような同期 現象の同定は非常に困難です.このような高次元空間やゆがんだ空間における同期同定するた めの手法を非線形動力学系理論を用いて開発しています.
3. 可変抵抗型メモリ (ReRAM) 評価のための背景電流除去法の開発
物理的変化により不揮発性を実現していると考えられている ReRAM は,これからの IoT 社会に おいて要求される超低消費電力で超小型なデバイスを実現するためのメモリとして期待され ています.しかし,ReRAM に流れる電流は非常に微小であり,評価の際に背景電流の影響を避 けられません.そこで,観測した微小電流から背景電流をデータ処理により除去し,高精度に ReRAM を評価する手法の開発を目指しています.
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
・複雑現象の数式による表現(モデル化)
・複雑現象を表す数式を用いての数値シミュレーション
・複雑現象から得られたデータの解析
応用可能な分野
・製品などの数式によるモデル化
・数理モデルによる製品などの数値シミュレーションによる評価
・製品から観測された時系列データの解析