数値シミュレーションと計算処理の高速化


研究概要
1. 大規模な数値計算を利用した複雑な現象の解明
リコーダやフルートなどエアリード楽器の多くでは、空気ジェットの生み出す乱流的な運動が共鳴という物理現象を通して美しい音色を生み出している。楽器に限らずこのような複雑な現象を再現し、その背後にある法則や原理を解明することを目指して研究している。
2. 群れの動力学と論理の解明
単純な規則で相互作用する多数の個体が生み出す群れは、複雑で美しい協調行動を見せるだけでなく、時として思いがけない機能を生じることがある。このような対象を研究することで、群知能の最適化問題への応用という工学的な目的を達成することにとどまらず、人間も含めたすべての生物の集団運動・集団行動に対する理解を深めることを目指す。
3. ニューラルネットワークを用いた時系列データの解析
比較的簡単なリカレントネットワークであるエコーステートネットワークを利用して、時系列解析を実施している。問題に応じて適切なネットワーク構造を導入し、より効率的な問題発見や解析結果の取得を目指しつつ、複雑な力学系としての挙動について研究している。
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
上記の研究を進めるにあたって、効率的な高性能計算の導入は必須の技術であり、この技術の上に様々な大規模シミュレーションを構築して効率よく研究を進めることを目指している。また、時系列として得られる様々な観測・測定データの解析から背後にある複雑な運動をモデリングし、運動の特徴分析や変化点の検出なども実施している。
応用可能な分野
1. 複雑な問題での数値計算・シミュレーション手法の開発
2. スーパーコンピュータでの大規模な並列計算の実施
3. 時系列分析とモデリング