情報オーバーロードに対峙するヒューマンインタフェースデザイン


研究概要
創成時の想定を満たすかのように現在の WWW は,様々な種類と膨大な量の情報を流通させて いる.しかしながら,増加し続ける情報は,人間の処理能力の限界を超え,課題解決や意思決定に 必要な情報収集が難しくなってきた.その人間の手助けをして,情報の海から新しい知見を見つけ やすくするソフトウェアと人間のインタフェースをデザインしている.
【1】携帯端末上でのウェブキュレーションを促進するユーザインタフェースデザイン
ウェブキュレーションは,ウェブ上から集めた情報を 再構築して再配信する行為.SNS に代表されるウェブキ ュレーションのサービスはウェブブラウザ上で利用で きるが,携帯端末の限られた画面では,様々なウェブペ ージを渡り歩くザッピングには不向き.本研究では,携 帯端末上でも,情報収集時に,複数のページの任意の断 片を参照しながら容易にザッピングが可能で,かつ,収 集した断片をハイパーテキストとして再構築し易いブ ラウザのインタフェースデザインを行っている.
【2】ユーザの創作活動を支援するパーシャルコンテンツキュレーション
コンピュータを利用するユーザの作業は,様々な異質なアプリケーションを使いこなしな がら行われる.ユーザがこれらのアプリケーションから必要な部分情報(パーシャルコンテ ンツ)だけをスムーズに選び出して,視覚的に情報を整理できる仕組みを構築している.任意 のアプリケーションに対応して,コンピュータ上での Visual Thinking をより促進し,ユーザ の創造活動を支援するため,単なるコピーツールでなく,アプリケーションの機能を有した ままの複数のパーシャルコンテンツを集め,整理することができる.
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
【技術・特許 1】「コンピュータの CollaboTray」: 任意のアプリケーションをその内容の変更なし で,機能拡張できる技術.
【技術・特許 2】「新聞記事アーカイブシステム」:大量の文書画像の視覚化技術.
【技術・特許 3】タブレット端末を使った PC 操作インタフェース:障がい者が使いやすいインタ フェースデザイン
応用可能な分野
【1】タブレットやスマートフォンなどの小画面端末を介したPC制御インタフェースシステムの 開発や,アーカイブシステム向けナビゲーションシステムの実現.
【2】テーブル型や大型ディスプレイなど,複数人での協調作業に応じたアプリケーションのプロ トタイプ作成.既存アプリケーションを取り込んだ新しいアプリケーション開発.