光機能性有機・高分子材料の開発


研究概要
材料の機能は構成分子の化学構造や形,集合構造(集合状態),分子が置かれる環境に依存します。これらの関係を分子レベルで理解する基礎研究の結果を基に,分子の状況をコントロールすることによって機能を最大限発揮できる材料開発を行っています。例えば,効果的に油や水を固めるゲル化剤(凝固剤),抗菌性,高接着性,高染色性,低摩擦性などを付与した高分子材料の開発を目指しています。なかでも,光で機能コントロールが可能な材料や光化学反応を使った材料改質の研究に力を入れており,材料の色や硬さ,粘性,溶解性,接着性,摩擦特性,撥水性などを光で可逆的に変化させることを目指しています。また,セルロースナノファイバーやリグニンなどの植物由来材料も扱っています。
1.高性能オイルゲル・ヒドロゲル化剤の開発
(写真1)。
2.光応答性ゲルの開発(写真2)。
3.光反応性接着剤の開発。
4.高分子材料・樹脂・繊維の表面改質。
5.光化学反応を利用した材料改質技術の開発。
6.セルロースナノファイバー,リグニンなどの植物由来材料,これらと樹脂のコンポジット。
アピールポイント(技術・特許・ノウハウ等)
有機・高分子材料全般にわたる相談に応じます。
上記研究開発には,有機・高分子材料の各種分析(核磁気共鳴(NMR)スペクトル,赤外吸収(IR)スペクトル,紫外可視吸収(UV-Vis)スペクトル,蛍光スペクトル,分子量,質量分析など)がつきものです。よって,各種分析による成分分子の構造解析や,それらと機能の関係解明なども可能です。
応用可能な分野
・有機・高分子材料全般の分子集合構造と物性との関係解明
・表面改質による特殊機能を付与した高分子材料(樹脂・繊維)の開発
・高性能な油を固めるゲルの開発
・光で可逆的に任意の硬さに調整可能なゲル材料の開発
・光で接着・脱着可能な接着剤
・セルロースナノファイバー・リグニンなどの植物由来材料の活用 など